初めての不動産購入ガイド③ 〜目的別購入ガイド:資産形成のための購入〜

2.あなたはどんな不動産を選ぶ?目的別購入ガイド

b. 【投資用不動産】「資産形成のために買う」

i.不動産投資とは何か:キャッシュフローと資産価値

不動産投資は毎月の家賃収入を得ながら資産価値も築ける優れた投資手法です。不動産ポータルサイトの健美家の調査によると、不動産投資は個人が取り組める数少ない「ストックビジネス」として注目されています。
そんなストックビジネスの特徴としては、
継続的な収入が見込める
時間の経過とともに収益が積みあがる
長期的な経営戦略が立てやすい
以上が挙げられます。

ii.サラリーマン大家の始め方

不動産投資のポータルサイトに掲載されている実例の中には、「勉強期間半年の初心者が激熱物件を購入できた」ケースや、「3年間で一棟物件を8棟購入し急拡大に成功した」事例が紹介されています。※投資の成果には個人差があります。

成功する初心者の共通点としては、不動産での資産形成に真剣に考え行動していることが挙げられます。例えば以下のようなことが挙げられます。

1、何のために不動産で資産形成を行うのかを理解している:節税目的や投資用目的等
2、自身の収入状況を理解し、将来に向けた資産形成への明確な目標設定ができている:「月〇万円の家賃収入があり、年間のキャッシュフローは〇万円、〇年後の売却時での想定利益は〇万円」などの具体的な数字
3、継続的な知識の習得:最低3〜6ヶ月は不動産における基礎知識の習得を行い、周辺環境や時事の情報取得にもアンテナを張る
4、慎重な物件選び:利回りだけでなく立地や修繕履歴・空室率・管理費等の建物状況も重視
5、資金管理:家賃収入やその他費用、税金等、お金の入出金の細かなチェックを行う。また、無理のない自己資金比率(20〜30%)を維持する。

などがあげられます。
どの特徴も才能に頼らず、どなたでも行動と意識次第で再現可能なものですので、これから不動産投資を始める初心者の方は是非参考にしてみてください。

iii.区分マンションvsアパート一棟:初心者におすすめなのは?

楽待(不動産に関するポータルサイト)の相談事例では、「自己資金500万円で区分マンション600万円(表面利回り8%)とアパート一棟2000万円のどちらを選ぶべきか」という質問に対し、経験者は一棟アパートを推奨しています。

一棟アパートの優位性としては、
・空室リスクの分散(複数戸あるため)
・土地も含む資産価値
・融資評価が高い
・規模拡大しやすい

反対に、区分マンションの特徴として、
・少額からスタート可能
・管理の手間が少ない
・管理費・修繕積立金が収益を圧迫する可能性がある
というものです。

アドバイスとしては、区分マンションであれば実質利回り8%以上、一棟アパートとしては新耐震構造で実質利回り10%程度を目安に購入をおすすめします。
別コラムにて、詳しい検討方法をご紹介します。

iv.リスク管理

健美家(楽待と並ぶ不動産ポータルサイト)では、不動産投資の3大リスクとして、

1、空室リスク
2、金利上昇リスク
3、老朽化リスク

を挙げています。それぞれについて、どうキャッシュフローに影響を及ぼすか解説します。

1、空室リスク
空室により家賃収入が得られないことは、不動産投資において最も直接的な収益減少要因となります。予期せぬ修繕費用や空室による収入減少に対応できず、資金繰りが悪化する可能性が高く、ローン返済の負担も大きくなりかねません。

2、金利上昇リスク
金利の上昇は、不動産投資におけるキャッシュフローに大きく影響します。家賃収入は変わらないにもかかわらず、返済額が増加するためです。返済後に手元に残る資金が減少し、キャッシュフローが大きく影響を受けます。不動産投資ローン返済中に金利が上昇した際、借り手の急激なキャッシュフロー悪化を防ぐため、金融機関でいくつかの対応ルールが設けられているほど、その影響が深刻であることがわかります。

3、老朽化リスク
老朽化リスクは稼働率の低下、賃料の低下、売却時の価値の低下という3つの要素がチェーンのようにつながって影響します。これらの要素は全て相互に関連しており、老朽化により賃貸物件としての魅力が低下することで収益性に直接影響します。不動産の老朽化に伴い、不動産価値の低下や設備維持費の負担増加、収益物件であれば稼働率低下など、多様な問題が発生することが懸念されます。

v.投資用不動産特有の税務と会計

投資用不動産では以下の経費計上が可能です。

・減価償却費
・管理費・修繕費
・交通費・通信費
・税理士費用
・借入金利息

法人設立のタイミングについては、物件数に関係なく「不動産投資を本気でやろうと決めた時」がベストタイミングです。


ここまで読んでくださりありがとうございます。
次回のコラムでは、「目的別購入ガイド:事業のための購入」について解説します。
楽しみにお待ちください!

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